カレンダーでは、フォーミュラEはGen4マシンで戦う最初のシーズンとなる第13シーズンを、2026年12月18日と19日にジッダで開幕する予定です。中東の治安情勢に左右される開催の確定は11月に見込まれており、代替案は2027年1月16日にメキシコシティで開幕するというものです。マシンが変わり、タイヤサプライヤーが変わり、いくつかのチームも変わります。そして当然、スポンサーの顔ぶれも変わります。
このページでは、2026年11月時点で選手権とチームを支えている企業をまとめています。コレクター向けのリストではありません。誰が投資しているかを見れば、フォーミュラEが本当は誰に語りかけているのか、そしてその層が皆さんの顧客でもあるのかが見えてきます。
要点
- 選手権のタイトルパートナーは2018年からABBです。ブリヂストン、Google Cloud、PIFがプリンシパルパートナーを務めています。
- Gen4から、2025/26シーズンを最後に撤退したハンコックに代わり、ブリヂストンが単独のタイヤサプライヤーになります。
- フォーミュラEのスポンサーの大半はB2B企業で、分野はテクノロジー、エネルギー、物流、素材です。
選手権のスポンサー
フォーミュラEはパートナーを4つの階層に分けています。頂点に立つのは2018年からタイトルパートナーを務めるABBで、シリーズの正式名称はABB FIA Formula E World Championshipです。続いて3社のプリンシパルパートナーがいます。ブリヂストン、人工知能パートナーのGoogle Cloud、そしてサウジアラビアの政府系ファンドであるPIFです。
オフィシャルパートナーは8社です。Antofagasta Minerals(銅)、Autoliv(自動車安全)、COMSOL(シミュレーションソフトウェア)、DHL(物流)、Fortescue Zero(急速充電ピットストップ「PIT BOOST」のパートナー)、Infosys(デジタルイノベーション)、Saudia(航空会社)、TDK(電子部品)。さらに7社のオフィシャルプロバイダーがいます。Aggreko(仮設電源)、Corpay(外国為替)、Hackett Sport(アパレル)、Lenovo(拡張現実とデジタルコンテンツ)、Sennheiser(オーディオ)、Taittinger(シャンパン)、Tata Communications(放送配信)です。
Gen4で何が変わるのか
2026/27シーズンはGen4マシンの最初のシーズンで、スポンサーにも関わる変化があります。ブリヂストンが2029/30シーズンまでの契約で単独のタイヤサプライヤーとなり、4シーズンを経て2026年8月のロンドンで撤退したハンコックから役割を引き継ぎます。カレンダーは13会場21レースに拡大し、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ、ブランズハッチ、ザントフォールトの3つの新コースが加わります。新しいマシンの速さについては、フォーミュラEマシンの速度に関する記事で数字を紹介しています。
グリッドも変わり、12チームに増えます。オペルが自社のワークスチームで参戦し、ポルシェも2つ目のワークスチームを加えます。DS Automobilesは2025/26シーズンを最後に選手権を去り、ペンスキーのチームはFortescue Zeroに買収されました。同チームはジャガーのパワーユニットを使い、Fortescue Zero Racingとして参戦します。この買収は2026年9月に発表されたもので、FIAとプロモーターの承認が条件です。アンドレッティはポルシェから日産のパワーユニットに切り替え、ローラはABT抜きで参戦を続けます。すでに2025/26シーズンにはマクラーレンが撤退し、ステランティスグループ内ではシトロエンがマセラティに代わっていました。
チームのスポンサー
各チームにはそれぞれパートナーがいて、その名前から投資する企業の戦略が見えてくることもあります。2026年11月時点の主な例は次のとおりです。
- Porsche Formula E Team:2025/26シーズンからTAG Heuerはタイトルパートナーではなくなり、ポルシェ・モータースポーツのグローバルパートナーとして露出を縮小して関わり続けています。TDKが加わり、Mobil 1、Loctite、Puma、NetApp、Cato Networks、Synopsys(旧Ansys)が残りました。
- Jaguar TCS Racing:タタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services)がタイトルパートナーで、2026年9月23日に複数シーズンの契約延長を行い、公式AIパートナーにもなりました。
- Mahindra Racing:2025/26シーズンにValvolineがオフィシャルパートナーとして加わりました。
- Cupra Kiro:Cupraは共同タイトルパートナーで、Gen4でもその立場を維持します。2025/26シーズンには、チームはDuelbitsをプリンシパルパートナーとして、Aquameを水分補給、Refloをチームウェアのパートナーとして発表しました。
- Andretti Formula E:エンジニアリングサービス企業のQuest Globalが、データ分析と技術開発に関する複数年契約でパートナーを務めています。
- Envision Racing:Gen4からはPaysafeをタイトルパートナーに迎え、Paysafe Envision Racingとして参戦します。チームは再生可能エネルギー事業を手がけるEnvisionグループとのつながりを保っています。
日産、シトロエン、ローラでは、車体のメインの名前はメーカー自身のものです。最も興味深いのはFortescue Zeroです。PIT BOOSTの選手権パートナーである同社は、Gen4から自前のチームを持つことになります。
2025/26シーズンの振り返り
シーズン12は2026年8月、ロンドンでのダブルヘッダーで幕を閉じました。ポルシェのパスカル・ウェーレインが、アンドレッティのジェイク・デニスに5ポイント、ジャガーのミッチ・エバンスに9ポイントの差をつけて2度目のドライバーズタイトルを獲得しました。チームタイトルはJaguar TCS Racing、マニュファクチャラーズタイトルはポルシェが手にしました。ジャガーとポルシェのパートナーにとっては、語る価値のある1年になりました。
フォーミュラEのスポンサーはどんな企業か
名前を眺めるだけで、ひとつのことに気づきます。メーカーと、ブリヂストン、Saudia、Taittinger、Puma、Cupraといった一部の消費者向けブランドを除けば、フォーミュラEのスポンサーの大多数は他の企業に販売している会社です。ABBは自動化と電動化、Google Cloud、Infosys、TCSはクラウドとデジタルサービス、DHLは物流、TDKとAntofagasta Mineralsは素材とエレクトロニクスです。
私の経験では、フォーミュラEを選ぶ企業が買っているのは、主にテレビでの露出ではありません。電動化、ソフトウェア、サステナビリティについて自社の顧客やパートナーに語るための信頼できる舞台を買っているのです。その観客層については、フォーミュラEの視聴者に関する記事で分析しています。
企業にとっての意味
参入の入り口はいくつもあります。選手権のレベル、チームのレベル、そして個々のレースのレベルです。2026年にはCupraがマドリードE-Prixの冠スポンサーとなり、大会名はCUPRA Raval Madrid E-Prixになりました。Gen4は再スタートの時期で、2つの新チーム、オーナーが替わる1チーム、供給元が替わるパワーユニットがあります。
ただし、大事なのはマシンに載るブランドの数ではありません。そのうちいくつが、皆さんと同じ顧客に語りかけているかです。皆さんの市場がエネルギー転換に投資する企業であれば、フォーミュラEは、その顧客がABBやGoogle Cloudと並ぶ皆さんの姿を目にする数少ない選手権のひとつです。予算の目安については、まずフォーミュラEのスポンサー費用のガイドをご覧ください。具体的なプロジェクトについては、フォーミュラEのスポンサーシップのページをご覧ください。
フォーミュラEのスポンサーに関するよくある質問
フォーミュラEのスポンサーはどこですか?
タイトルパートナーはABBです。プリンシパルパートナーはブリヂストン、Google Cloud、PIF、オフィシャルパートナーはAntofagasta Minerals、Autoliv、COMSOL、DHL、Fortescue Zero、Infosys、Saudia、TDK、オフィシャルプロバイダーはAggreko、Corpay、Hackett Sport、Lenovo、Sennheiser、Taittinger、Tata Communicationsです。
フォーミュラEのタイトルスポンサーはどこですか?
フォーミュラEのタイトルスポンサーは、2018年から電動化とオートメーションを手がけるABBグループです。そのため選手権の正式名称はABB FIA Formula E World Championshipとなっています。
フォーミュラEのタイヤはどこが供給していますか?
2022/23シーズンから2025/26シーズンまでは、ハンコックが単独サプライヤーでした。Gen4マシンの最初のシーズンである2026/27シーズンからは、2029/30シーズンまでの契約でブリヂストンが供給しています。
フォーミュラEにおけるポルシェのスポンサーはどこですか?
2025/26シーズンにチームはPorsche Formula E Teamに名称を変えました。TAG Heuerはタイトルパートナーではなくなり、露出を縮小して関わり続けています。パートナーには2025年に加わったTDKのほか、Mobil 1、Loctite、Puma、NetApp、Cato Networks、Synopsysがいます。
2025/26シーズンのフォーミュラEを制したのは誰ですか?
ドライバーズタイトルはポルシェのパスカル・ウェーレインが獲得し、自身2度目の戴冠となりました。ジェイク・デニスに5ポイント、ミッチ・エバンスに9ポイントの差でした。チームタイトルはJaguar TCS Racing、マニュファクチャラーズタイトルはポルシェが獲得しました。
なぜ多くのB2B企業がフォーミュラEのスポンサーになるのですか?
フォーミュラEは、電動化、ソフトウェア、サステナビリティについて顧客やパートナーに語るための信頼できる舞台を提供するからです。そのためスポンサーには、ABB、Google Cloud、Infosys、タタ・コンサルタンシー・サービシズ、DHL、TDKなど、他の企業に販売する会社が多く並んでいます。